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⭐️「本作ではメッサラをゆるしたの?」
ヘストン版はストーリーの流れを見れば「自分への赦しからローマへの赦し」へとつながっています。
実はジュダはメッサラに対しては未練がありました。ピラト接見のとき
「彼もローマに行く前までは優しい奴だった」という台詞で分かります。
ピラトとの接見シーンは
こちら👉 https://youtu.be/ZM9JkMmiH4E
また、戦車上でメッサラの事故を見てハッとして、倒れた彼を見て振り返りジュダが戸惑う表情もありました。あれが親友に対する「ホンネ」の表情。かつての友への思いが微かに見えたという事です。
救護室の険しい顔は「素直になれていない。」というよりも、優しいジュダであっても、メッサラのやってきた事や仕打ちの酷さからすれば、ゆるすに値しないのは当然。母と妹への愛の深さには代えられなかったという事です。
ここで「許す」行為を考えると一見気高い行為に思えます。でも「赦す」とは意味が違う。「おこがましい行為」。上から目線。
ゆるしとは、
※願いを聞き入れ、許可する(許し・聴し)
※罪・過失・無礼などをとがめない(赦し)
人間の精神の気高さは全て自分自身に帰結。自分を許せない人は他人にも厳しいし咎めたて攻撃的です。相手の内面に自分の持つ悪しき性格や本性で嫌いかつ劣等感を抱いている部分を見るようで醜くそして憎くもなるのですね。
しかし特異な楽観者もいます。「シンドラーのリスト」でのアーモン・ゲートは利己的にゆるしを解釈していました。「お前を許す」と鏡の自分を見て指差してつぶやいた後、ベランダに出て捕虜たちに向けて銃をぶっ放していました。覚えていると思います。
ところでこの最新作も誠意で製作された映画。手抜きではなく時代を察知した作品です。
米国の散々な興行結果を受け興収が見込めず日本では劇場公開は見送り。過去作品と異なる結末に共感できる人がどれほどいたのか。アクションを楽しむCGの目新しさと引き換えに失ったものは何。2時間の見やすさ以外に何が良かったかがポイントです。
もちろん最新作の方が最高に面白かったとする意見もネットにはちらほら見られます。映画はそれでいいのだと思います。皆んなにウケる映画がウケない事もあるし、面白くないという圧倒的低評価の映画が最高にいい映画と賞賛する人もいるのが普通です。それぞれが楽しめればそれで良い、それが正解なのかも知れません。
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