※この動画はNHK連続テレビ小説『あんぱん』第83話のネタバレを含みます。
昭和22年12月21日。
高知を、いや西日本全体を揺るがす大地震――「昭和南海地震」が発生しました。
東京にいるのぶには、電報も電話も届きません。
ただ机の上の地図を見つめ、無事を祈ることしかできませんでした。
「お願い、どうか……無事でいて」
心に浮かぶのは、家族の笑顔、嵩の横顔。
静まり返った東京の空の下、のぶの想いは遠く高知へと向かいます。
一方、地震直撃の高知では、高知新報の社内も崩れ、街は壊滅状態に。
倒壊した本棚、割れたインク瓶、飛び交う悲鳴――。
「柳井さんは? 一緒じゃなかったがですか?」
そう琴子が問いかけたとき、東海林と岩清水は言葉を失います。
嵩は朝から外回りに出たまま、まだ戻っていないというのです。
沈黙の時間の中で、それぞれが胸に抱えるのは「無事でいてほしい」という願い。
届かぬ言葉、交わせぬ視線。
それでも、誰かを想う気持ちは、どんな瓦礫にも埋もれない――