※この動画はNHK連続テレビ小説『ばけばけ』第14話のネタバレを含みます。
秋も深まる中、傳の病状は日ごとに悪化し、食事も喉を通らない日々が続いていました。
そんなある晩、トキが湯気の立つおかゆを手に、傳の枕元にそっと膳を運びます。
「おじさま、少しでいいですから…」
木の匙でおかゆをすくい、ふうふうと冷まして口元へ運ぶトキ。
長い闘病でやせ細った傳は、かろうじてそれを口にし、静かに呟きます。
「……うまいのぅ……」
心のこもった一匙の粥に、傳は思わず目を細め、タエは静かに涙をぬぐいます。
その時、傳が震える声で語りかけました。
「親子として振る舞える…そんな日が、いつか来ることを…わしは願っておる」
トキは一瞬驚きながらも、優しく微笑み、こう答えます。
「おじさま、長生きしてくださいまし。必ず…」
この言葉に、傳はそっとうなずき、目尻には涙がにじみました。
廊下の外では、三之丞が拳を握りしめながら、父とトキの声に耳を傾けています――
その距離の中にある、家族としてのつながりと切なさ。
一匙のおかゆがつなぐ心、言葉にできなかった想い。
家族の在り方を静かに問いかける、涙あふれる感動の一編をぜひご覧ください。