静寂な宍道湖の朝、異国の客人・レフカダ・ヘブンが目を覚まします。
ぺったん、ぺったんと響く餅つきの音、寺の鐘、橋を渡る下駄の音――
初めて日本で迎える朝に、彼の胸には言葉にできない感慨があふれていました。
花田旅館の離れ座敷で、彼は大切な人・イライザに手紙を綴ります。
「私は元気だ。日本は想像以上に素晴らしい。きっと素晴らしい記録を残して、君のもとに帰る」
――その言葉には、遠く離れた恋人への強い想いと、日本の地で生きる覚悟が込められていました。
一方、県庁では知事・江藤が錦織に厳しい言葉を投げかけます。
「ヘブン先生は、島根の命運を握っている」
しかしヘブンはまだ、教師としての自覚を持ち切れていません。
異文化への興味に心を奪われ、肝心の授業準備もままならない状態…。
英語教育の未来を託された一人の異人に、県の期待と重圧がのしかかります。
知事の期待と重圧を一身に受け、錦織は再びヘブンのもとへ向かいますが…