松江の静かな朝、トキは大きな決断を胸に新たな一歩を踏み出します。
「ヘブン先生の女中になりますけん」——その言葉には、家族を想う強い覚悟が込められていました。
一方、偶然再会した三之丞から語られたのは、雨清水家が辿った衝撃の転落。
誇りを手放せずに物乞いとなった産みの母の姿に、トキは将来の自分たちの姿を重ねてしまいます。
揺れる心、葛藤、そして恐れ。
それでも家族の笑顔を守りたいという想いが、彼女を動かしました。
異国から来た青年教師ヘブンと、武士の家に生まれた娘トキ。
言葉も文化も違う二人が、松江の地で出会い、やがて心を通わせていく——そんな物語の新たな始まりが、ここにあります。