多くの警察官に囲まれるようにして警察署から現れた、グレーの上着にマスク姿の男。
学校近くに住む男性を殺害した疑いで10日に逮捕された、東京・江戸川区立松江第五中学校の教師、尾本幸祐容疑者(36)。
11日正午過ぎ、検察に身柄を送られた。
そして午後1時過ぎには、勤務先の中学校に警視庁の捜査員らが家宅捜索に入った。
警視庁の捜査員らによる勤務先の中学校での家宅捜索は、子どもたちが授業を受けているさなかに行われ、学校からは子どもたちなどの声は聞こえず、静まり返っている。
尾本容疑者は2023年2月、江戸川区一之江の住宅で、この家に住む山岸正文さん(当時63)の顔や首などを刃物で十数回刺すなどして殺害した疑いが持たれている。
さらに、捜査関係者への取材で明らかになったのは尾本容疑者の借金。
尾本容疑者は、8年前に住宅を新築で購入し、妻と子ども3人で暮らしていた。
捜査関係者によると、事件当時、尾本容疑者は住宅ローンのほかに、ギャンブルや投資などで数百万円の借金があったという。
事件当日、殺害された山岸さんの自宅から1kmほど離れた場所で撮影された防犯カメラの映像。
上下黒い服にフードを深々とかぶった尾本容疑者とみられる人物が、山岸さんの自宅方向へと歩く姿が映っていた。
こうした防犯カメラの捜査などから、尾本容疑者の関与が浮上。
逮捕に至ったという。
事件後、山岸さんの自宅で行われた現場検証の様子を近隣住民が撮影した画像。
ブルーシートの上に敷かれたカーペットには、血のようなものが付着しているのがわかる。
山岸さんの死因は、血液がのどに詰まったことによる窒息死だった。
尾本容疑者を知る近所の人は、その印象について「お子さんをすごくかわいがっていて、何をするにもいつも一緒だった。上の子が2人男の子で、よく3人で自転車で出かけたりしていた。すごく子煩悩な方だなって思って見ていた」と話した。
尾本容疑者は、逮捕後の調べに対し、殺害の容疑について否認していて、現在は黙秘しているという。
一方で、逮捕前の任意の調べに「山岸さんに荷物を運ぶのを手伝ってほしいと言われ、家に入ったことがある」と話していたことがわかった。
警視庁は、尾本容疑者が盗み目的で山岸さん宅に入った可能性があるとみて調べを進めるとともに、数百万円の借金との関わりなどについても、くわしく調べる方針。
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