動画アップお疲れ様でした。
わたしはラストマイルは劇場で、エンタメとしてとても楽しく鑑賞しましたが、やはりドラマの2時間スペシャル的な薄い印象だったのですが、この解説動画を拝見し、わたしも頷くところは多々ありました。
それで改めて思ったのですが、脚本の野木さんは、良く社会的なテーマを物語に取り入れますが、その社会的テーマはあくまでも物語の彩りにしかなっておらず、話を盛り上げるためのツールとしかみていないように感じます。本来は深く解けない矛盾をも、どこか通俗的な着地で終わらせてしまう。そこが物足りないのかな、と。
また、映画の中で、例えば宇野祥平さんがかつて経営していた会社の作る洗濯機が良質なのにコスト競走に負けて倒産、それが物語の最後に繋がるところは、ちょっと首を捻るところ。どこか池井戸潤のようなニオイを感じたのは違和感でした。まぁ、阿部サダヲもディーン藤岡もなんだか最後には、なんだかわからんが良かったね、という予定調和な結末は、やはりテレビドラマなのかなという印象でした。
そうそう、復讐なら物流センター自体を標的にすれば？というのは身も蓋もないまともな正論。で、思い出した実際の爆弾事件があります。東アジア反日武装戦線が1974年に起こした三菱重工爆破事件。これは三菱重工を戦前アジア侵略の手先としてテロのターゲットにしたもので8名死亡376人の負傷者を出し、犯人に死刑判決が出ています。非常に悲惨な事件です。そもそも論なのですが、こう考えると爆弾というのがこんなテレビ的なエンタメとして消化されて、結末がなんかイイ話になってしまう、そんな感覚への違和感に、この解説を聞きながら改めて気づいた次第です。
長々書いてしまいました。失礼しました。